熱中症
静岡県伊東市のよこやまファミリークリニックでは、夏場に急増する熱中症の診療に力を入れています。熱中症は単なる「暑さによるのぼせ」ではなく、重症化すると命に関わることもある緊急性の高い状態です。当院の院長は救急科専門医および認定内科医の資格を有しており、数多くの救急現場や災害医療に携わってきた経験を活かして、迅速な診断と的確な処置を行っています。JR伊東駅から徒歩1分という立地から、観光やお出かけ中に体調を崩された方も多く来院されます。また、当院には小児科専門医も在籍しており、体温調節機能が未発達なお子さんの熱中症に対しても、専門的な視点から丁寧な診療を提供しています。少しでも「おかしいな」と感じたら、我慢せずに当院へご相談ください。
熱中症の原因
熱中症は、高い気温や湿度の影響で体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもってしまうことで起こります。原因は大きく分けて「環境」「身体」「行動」の3つの要素が重なり合うことで発生すると考えられています。
環境による要因
気温が高いことはもちろんですが、実は湿度の高さも大きな原因となります。湿度が高いと汗が蒸発しにくくなり、身体の熱を外に逃がす効率が落ちてしまいます。伊東市のような海沿いの地域では、夏場の湿気が高くなりやすいため注意が必要です。また、日差しが強い屋外だけでなく、エアコンを使用していない室内や、閉め切った車内なども非常に危険な環境となります。
身体による要因
寝不足や栄養不足、二日酔いなどの体調不良があるときは、熱中症を起こしやすくなります。特に高齢の方は、暑さを感じるセンサーが鈍くなっていたり、体内の水分量がもともと少なかったりするため、喉の渇きを感じる前に脱水が進んでしまうことがあります。お子さんの場合は、汗をかく機能が未熟であり、大人よりも地面に近い場所を歩くため、照り返しの熱を強く受けるという身体的な不利な要因があります。
お子さんの体調の変化については、当院の「小児科」のページも併せてご覧ください。
行動による要因
激しい運動や長時間の屋外作業は、体温を急激に上昇させます。また、長時間にわたり水分補給を行わずに活動を続けることも、直接的な原因となります。急に暑くなった日など、身体が暑さに慣れていない時期に行動することも、発症の引き金になりやすいです。
熱中症によって引き起こされる病気
熱中症は進行度によって、身体のさまざまな部位に深刻な影響を及ぼします。単なる立ちくらみから、多臓器不全のような命の危険がある状態まで段階的に悪化していきます。熱中症に関連して起こりやすい代表的な状態を挙げます。
脱水症と電解質異常
大量の汗をかくことで、体内の水分だけでなく塩分(ナトリウムなど)も失われます。これにより血液の循環が悪くなり、脳や筋肉、内臓へ十分な栄養が届かなくなります。重度の脱水は血圧低下を招き、意識を失う原因にもなります。
脱水に伴う症状については、「意識がぼんやり・ぼうっとしている」のページでも解説しています。
横紋筋融解症(おうもんきんゆうかいしょう)
高体温の状態が続くと、筋肉の細胞が壊れてしまうことがあります。筋肉の成分(ミオグロビン)が血液中に流れ出し、それが腎臓に詰まることで急性腎不全を引き起こす恐れがあります。筋肉の激しい痛みや、コーラのような色の尿が出ることが特徴です。
多臓器不全と中枢神経障害
体温が40℃を超えるような重症の熱中症(熱射病)になると、脳、肝臓、腎臓、肺、血液を固める機能など、身体の重要な機能が次々と停止してしまいます。これは「全身の炎症反応」が起きている状態で、その後の経過に深刻な影響を残す可能性があります。一刻も早い全身管理が必要です。
消化器症状
熱中症の影響で胃腸の血流が低下すると、激しい吐き気や腹痛、下痢が生じることがあります。これにより、さらなる脱水が進むという悪循環に陥ります。
お腹の症状にお困りの方は、「急な嘔吐・下痢」のページをご確認ください。
熱中症の処置や治療法
熱中症の治療は、まず身体を冷やす「冷却」と、失われた水分と塩分を補う「補液」が基本となります。当院では、患者さんの重症度を救急医学の視点で見極め、適切な処置を行っています。
現場および当院での応急処置(ファーストエイド)
来院直後、または現場での救護においては以下の処置が優先されます。これらは「FIRE」や「COOLING」といった概念に基づき、迅速に行われます。
- 涼しい場所への避難・・エアコンの効いた部屋や木陰へ移動します。
- 衣服を脱がせて風を送る・・うちわや扇風機で仰ぎ、効率よく熱を逃がします。
- 冷却処置・・氷嚢や保冷剤を使って、首の横、脇の下、足の付け根などの太い血管が通っている場所を冷やします。
- 水分・塩分の補給・・意識がはっきりしている場合は、経口補水液を少しずつ飲んでもらいます。
医療機関における専門的な治療
口から水分が摂れない場合や、中等症以上の症状が見られる場合には、以下の治療を行います。
点滴治療(静脈路確保と輸液)
脱水の程度や、血液中の塩分バランスを検査で確認した上で、適切な成分の点滴を行います。胃腸を介さず直接血管に水分を入れるため、速やかな循環の改善が期待できます。
体温管理
高熱が続いている場合は、霧吹きで水をかけながら送風するなどの方法で、深部体温を安全な範囲まで下げます。当院では救急科での経験を活かし、身体に負担の少ない冷却方法を検討します。
重症時の高度医療への連携
意識障害が強い場合や、多臓器に影響が出ていると判断される重症(III度)の場合は、入院設備のある総合病院や救命救急センターでの集中治療が必要となります。伊東駅前の立地を活かし、救急車との連携もスムーズに行います。
突然の体調不良に対する体制については、「急病けがの対応」のページもご覧ください。
熱中症の重症度分類
熱中症は、症状の重さによって3つの段階に分類されます。それぞれの段階で、必要な対応が異なります。
軽症(I度)
めまい、立ちくらみ、生あくび、大量の汗、筋肉のこむら返りなどが起きます。この段階では現場での応急処置と休息、十分な水分補給で改善することが多いですが、様子がおかしい場合は受診してください。
中等症(II度)
頭痛、吐き気、嘔吐、身体のだるさ(倦怠感)、集中力の低下などが見られます。自分で水分が摂れない、あるいは飲んでも吐いてしまう場合は、すぐに医療機関での点滴が必要です。
だるさが強い方は、「倦怠感」のページも参考にしてください。
重症(III度)
意識がはっきりしない、呼びかけへの反応が鈍い、全身のけいれん、高体温、歩けないほどのふらつきなどが見られます。これらは命に関わる極めて危険なサインであり、直ちに救急車を呼ぶ必要があります。
熱中症についてのよくある質問
Q1. 室内で過ごしていても熱中症になりますか?
A1. はい、もちろんなります。最近では熱中症の約半数が室内で発生しているというデータもあります。特にお年を召した方は、暑さを感じにくいためエアコンの使用を控えてしまい、気づかないうちに脱水が進んでしまう「室内熱中症」が非常に多いです。湿度が70%を超えるような日は、気温がそれほど高くなくても危険ですので、積極的にエアコンや除湿機を使用してください。
Q2. スポーツドリンクを飲んでいれば安心でしょうか?
A2. スポーツドリンクも有効ですが、熱中症の症状が出始めているときは「経口補水液(OS-1など)」のほうが適しています。スポーツドリンクは糖分が多めで塩分濃度が比較的低いため、大量に汗をかいた身体には塩分が不十分な場合があります。また、予防としては喉が渇く前にこまめに飲むことが大切です。カフェインを含むお茶やコーヒー、アルコールは利尿作用があるため、水分補給には適さないことを覚えておいてください。
Q3. お風呂上がりに気分が悪くなるのは熱中症ですか?
A3. 可能性は十分にあります。入浴により体温が上がり、汗をかくことで脱水状態になります。特に伊東市は温泉が豊富な地域ですが、長湯によって身体が温まりすぎると、熱中症と同じような状態になることがあります。入浴前後の水分補給を徹底し、浴室の換気にも気を配ってください。
Q4. 子どもが熱中症か見分けるポイントはありますか?
A4. お子さんの場合、「顔が赤い」「身体が異常に熱い」「おしっこの回数が少ない・色が濃い」「泣いても涙が出ない」といった様子は脱水のサインです。また、いつもより元気がなかったり、食欲が落ちていたりする場合も注意が必要です。当院では小児科専門医が丁寧に診察いたしますので、少しでも不安があればご来院ください。
お子さんの食欲については、「食欲不振・ぐったりしている」のページもご参照ください。
Q5. 熱中症は治ったあとに後遺症は残りますか?
A5. 軽症や中等症であれば、適切な処置により速やかに回復し、後遺症が残ることは稀です。しかし、重症の熱中症で高体温が長時間続いた場合は、脳や内臓にダメージが残り、高次脳機能障害(記憶力や注意力の低下)などが生じる可能性があります。そのため、重症化させないための早期発見と迅速な冷却処置が何よりも重要となります。
院長より
よこやまファミリークリニックのホームページをご覧いただきありがとうございます。院長の横山です。私はこれまで救急医療の最前線で、多くの熱中症患者さんの治療に携わってきました。また、日本DMAT隊員(災害派遣医療チーム)として、過酷な環境下での医療提供も経験しています。その経験から確信を持って言えることは、「熱中症は予防できる病気であり、早期対応が救命の鍵である」ということです。
熱中症は、発症してから治療を開始するまでの時間が短ければ短いほど、その後の経過が良くなる傾向にあります。当院は救急科専門医としての知見を活かし、単に点滴をするだけでなく、患者さんのバイタルサイン(生命兆候)を厳密に評価し、隠れた重症化の兆候を見逃さないような診療を心がけています。また、内科的な視点だけでなく、心理的な不安にも配慮できるよう公認心理師の資格も取得しており、患者さんお一人おひとりに寄り添った医療を目指しています。
伊東駅前という便利な場所にあり、駐車場補助も完備しておりますので、お車の方も安心してお越しいただけます。夏場のレジャーや観光、そして日々の生活の中で、もし「頭が痛い」「フラフラする」といった症状が出たら、迷わずに当院のドアを叩いてください。地域の皆さま、そして伊東を訪れる皆さまの健やかな毎日を守るため、私たちは全力でサポートさせていただきます。私たちと一緒に、暑い夏を安全に乗り越えていきましょう。
詳しい診療内容については、こちらの「総合内科」のページもご覧ください。
